主題とかテーマとか
文章を書こうと思ったものの、人に向けて書けるものは思い浮かばず、
自分ひとりのための日記ばかり積み重なっていく。
高校生くらいのころから、書きたいことを書くと必ず私小説になってしまっていた。自分の生活上の問題とか悩みとかをただ書くだけのような小説。なんとなく、物語は本当は自分じゃなく誰かのためにあるべきだと思う。人が読むならちゃんとその人に利益があるはずである。何かしらの。それが自分の小説には見当たらないなとずっと思っていた。胸を張って「これを読んでくれ」と言えるものを書かなければと思っている。
自分の好きな作品を思い返して、果たしてそういうテーマがあったろうかと考える。ハンターハンターはどうだろう。そんなつもりで書いてたろうか。わからない。進撃の巨人にはわりとちゃんとテーマがある。でも最初はそんなつもりで書いていたかわからない、メッセージよりは単にお話の構造を魅せたくて書いてたように見える。ジョジョには一貫したテーマがある、「人間賛歌」である。人間の美しさを書くために、醜いものや悪もきっちりそう断言して描いている。ジョジョ、相手方にも同情させるくらいちゃんと人物描写がしっかりしてるのに、その上で善悪や正義と邪悪がハッキリ断言されてるのが不思議である。
「君の胸から出たものでなければ、人の胸をひきつけることは決してできない。」ゲーテの言葉にある。これを思い出して小説を書いている時期があった。今でもこれは正しいと思う、忘れていただけで。
「何を書くべきか」というのは大して重要な問いではないのかもなと思う。何をやるべきだと言ってみたところでできるかどうかは別の問題である。書けるもののうち良さそうなものを書くという感じになるのではなかろうか。
何がしたいんだか自分でもよくわからなくなってきた。やりたいこととやるべきだと思っていることとの区別がつかない。