丸日記

丸海てらむの日記です

進撃の巨人 138話考察 ネタバレ有り

丸海てらむです。マガポケで進撃の巨人の最新話を追っている。

 

今日138話が更新された。今回を終えていよいよ次が最終回だということになった。その感想を書いていきます。ネタバレを含むので単行本派の人とかアニメ派の人は回れ右です。

 

のんびり書いていこう。

あと本編の画像をのっけたりはしないので各々原作を開いたり思い出すなどしつつ読んでもらえれば幸い。

 

 

さて前回どういう話だったか? だいぶ遡ると、エレンがパラディ島を救うために地ならしを発動させて人類を滅ぼそうとする、それを島のみんなで止めに行った。なんやかんやあって、アルミンがジークを説得して生きる意味とはみたいな話をして、歴代の巨人継承者たちの協力もあって無事にクソデカエレンの首を破壊、超大型で爆破、ジーク殺害。さよならエレン、って言いながらアルミンが巨人がしたシーンで前回は終わりだった。

 

前回終わったときは「これで戦いは終わりか~、あと二話で後日談というか大団円的なハッピーエンドを描くんだろうけど、二話で足りるかなあ」とのんきなことを思っていた。のんきなもんだ。僕の頭の中では、きっとライナーは母と再会して、アニも父と再会して、それぞれの親子関係が修復されたり、エレンは生きてるのか死んでるのか知らないが、生きてればきっとミカサに抱きしめてもらえたりして、アルミンとも和解して、ジャンになんか小言言われたりして、それで世界の人たちもなんやかんや許してくれて、あれじゃん、世界の人たちが「これは私たちの憎しみの連鎖が起こした云々」みたいになんか反省しながら艦砲射撃してたやつ、あれ見たらなんか戦いが終わったら平和になるような気がするじゃん。そういう和解の様子が一話で描かれて、最終話は「~n年後~」とかですっかり平和になってエルディア人が人権を取り戻した様子とかが描かれるもんだとちょっと思ってたよ。いや実際進撃の巨人がそんな終わり方したらなんやキモってなるかもしれないが、普通漫画の最終回ってそんなもんだ。

 

で実際何が起きているか。エレンは死んでいなかった。飛び出したでかい白子みたいなやつが身体から煙を噴き上げて、みんなを巨人に変えてしまった。そしてエレンとの接触を図る。エレンとアルミン、白子とライナーとの戦いの中で、ファルコに乗って逃げた巨人化能力者たちとアッカーマンの二人はエレンを殺しに戦いを続ける。

そして謎のミカサの回想。あれはなんだ。エレンの発言の中にいっぱい情報があるが、「マーレの戦争が終わって二か月」「あと4年の余生を静かに生きよう……そう言ってくれたのはお前じゃないか」ということで時系列はそのへんだということがわかる。

今回はこの回想についてがっつり考察していこう。

 

 

世間ではループ説だとか、if説だとか、ミカサの妄想だとか、いろいろ言われてるらしいが、一個一個考えていく。

思いついたのが、ミカサがこの回想のエレンの「俺のことは忘れて自由になってくれ」という言葉を思い出してから「ごめん」「できない」と言っているところ。これがヒントになる気がする。もし自分で考えた「こんな未来があったらなあ、エレンにこう言ってもらえたらなあ」っていう妄想なら、それに自分で否定するような返事をするのはちょっと変かなと思う。ので、この回想は、とりあえず形はどうであれ妄想ではなくて「実際にエレンと話した」出来事なのではないかと思う。

ただ、そのちょっと前にアルミンがエレンを吹き飛ばした後、「ミカサ お前がずっと嫌いだった」って言われたのを思い出して「あれが最後だなんて……そんな事が」ってショックを受けてる場面があるので、どうもあの時以降は話していないようだということがわかる。例の回想は、あの会話以前か、以後か、もしくはあれとは別で数えるべき別世界線のなにか、みたいな感じなんだろう。

 

そもそも実際思い返すと、エレンとミカサの関係はどんな感じだったか。あの回想が発生しうるチャンスが現実の進撃の歴史に存在したか。たぶんないんだろうけど思い返す。

回想エレンが「そう言ってくれたのは ミカサ お前じゃないか」って言ってるコマがどうも原作で見たことあるシーンだ。あれだ、「お前は俺の何だ?」「あなたは……家族……」みたいなやつ。あのシーンに似ている。

実際の進撃史では、あのシーンはなんか原住民のおっさんが入ってきて会話が中断されて、そのままみんなで飲み会になり、しばらくしたら憲兵団がエレンを食わせる計画を立ててるとかイェレナから安楽死計画を聞かされたとかでエレンは一人出て行ってしまうのだ。

 

やはりあの回想は「実際には無かった」出来事なのだ。

だが妄想とも違う。ミカサの態度を見るに「実際にエレンにああ言われた」という感じだ。じゃあ何なのか。

 

何なのかまだわからないが、とりあえずわかるところを埋めていく。

 

思い出すものがもうひとつ。「いってらっしゃい エレン」である。ようやく回収された。第一話のやつ。「お前……髪が伸びてないか?」の謎もわかった。この回想のミカサの髪は短いが第一話では長い。やはりこの回想が第一話に繋がるわけである。繋がるのはわかったがどう繋がるのか。

 

どう繋がるんだ?

わからない。

 

もうひとつ気になったことがある。

「頼むよ…… ミカサ 忘れてくれ」のコマと、「行ってらっしゃい エレン」のコマでは、エレンの顔に巨人化の跡みたいなものが出来ている。同じ回想でもその前のシーンまではなかったものだ。これが13年の寿命を迎えるときに出てくるやつなんじゃないか、と書いている人がいて、ありそうだなと思った。すると「いってらっしゃい エレン」が死にゆくエレンを見送る言葉で、そのあとどうも口づけをしているようなので、エレンが死ぬこともしくはミカサが口づけをすることが、ループというかあの回想から第一話へ繋がるためのきっかけになっているのでは。

 

するとこの138話最後のシーンも、また別の世界線へ繋がるシーンになっているのではなかろうか。エレンが死んでミカサが口づけをしているので。139話読み始めたら急に全然世界の話になってて読者困惑、みたいなの逆に進撃らしい気がする。いや最終話でそれやったらどうやってオチをつけるんだ。つくんだろうか。元のこの世界線はどうなるんだ。

 

31巻を読み返して思ったこと。ミカサのモノローグで、「あの時 もし私が 別の答えを選んでいたら 結果は違っていたんじゃないかって……」これ明らかにこの今回の回想シーンのやつでは。この場面で、史実では「あなたは家族……」としか言えなかったけど、138話の回想シーンでは、どうもここで一緒に逃げる提案をしたような描写がある。もしこのとき、エレンの「オレは……お前の何だ?」って質問に、別の答えを選んでいたら、つまりあなたは大事な人だから、二人で一緒に逃げたい、と答えていたら、こんな未来があった、というのが例の回想シーンなんだろう。まあエレンが全部放り出して安らかに余生を過ごす、なんてちょっと考えにくいが。

 

あと回想シーンの終わりごろ、これ見よがしに鳥が飛んでいる。マーレ編以降やたらめったら鳥が飛ぶ描写がある。何が意味があるように思えてしょうがない。あとユミルちゃんがミカサとエレンの口づけを笑って見守っている。なんなんだこれは。ユミルちゃんちょくちょく出てくるんだよな。アルミンとジークのとこにも姿を現していた。僕の想像だが人が愛し合う姿を見たいみたいなあれなんだろうか。よくわからない。あと一話なのにこの漫画わからないことが多すぎるよ。諌山先生。あと一話でわかるんですか。最終話どんな密度になってるんですか。

 

もひとつ思いついた説を。あの回想シーンが、実は思い出したんじゃなくて、あの瞬間に発生した説。別の世界線に飛べるみたいな。それなら冒頭の、エレンに罵倒されてあれが最後だなんて、ってセリフとも辻褄が合う。ミカサが頭痛を起こすのは運命の分岐点で、そこで別の世界線が発生してミカサが運命を選んでいる、みたいな説を見かけてちょっとそうかなと思った。けど31話の、「オレは……お前の何だ?」の質問では頭痛は起きてなかったり、第一話で巨人から逃げるシーンでも頭痛が起きてたり(ここ別にミカサに何かできるとは思えないのでミカサの選択どうこうという場面ではない)、頭痛の意味はまた別であるかなと思う。でもループ説に関わっていそうとは思う。

 

 

いろいろ考え続けて疲れてしまった。頭を空っぽにして最終話を待ちたい。邪推するより諌山先生の描こうとしているものを描いたままに受け止めたいなという気持ち。何が描かれたかはちゃんと読みたいがこれから何が描かれるかはわからなくても良いみたいな。まじでわからん。先月読んでもう終わりかあ~と思ったら今話で新たな地獄が発生するわ忘れてた伏線掘り返されて何が何やらわからんわでもわちゃくちゃである。

 

そういえばファルコとエレンのアニオリもある。アニメ第一話、漫画だと「いってらっしゃいエレン」「ミカサ、髪が伸びてないか」だったのがどっちもアニメではカットされて、代わりに母親が食われるシーンや調査兵団の四人が巨大樹の森で死ぬシーンとかエルディア時代っぽい装飾品とかフリーダのものっぽい遊び道具が夢のように描かれていて、そこから目を覚ます。ファルコのほうも、マーレ編第一話で「お前らさっきまで剣持って飛び回ってなかったか?」って言っている。ファルコのほうはマーレ編に困惑する視聴者へのフォローにも見えるが、それだけのために物語に矛盾することを言わせるだろうか、と思うとなんか意味がありそうだ。

 

エレンのほうは「進撃の巨人継承者は未来の記憶を見ることができる」で説明できるかと思ったが、実はそうではない。この時のエレンはまだ進撃の巨人を継承していない。このシーンがあって、その日壁が破られ、母さんが食われ、そしてその晩に父から進撃と始祖を継承するのである。この時点でのエレンは、まだ「九つの巨人」を宿していない、ただの一人のエルディア人である。でファルコもそうである。

 

するとループ説は人類とかエルディア人単位で時間を巻き戻してるみたいなあれなんだろうか。

 

何もわからない。ひょっとしたらアニメと漫画とで結末が違うなんてことすらあり得る。ないか。さすがに大変そうだ。細かい描写は変わってきそうだ。

 

とりあえず整理してわかったっぽいことは、ミカサはなぜか「現実には起きなかった、別世界軸でのエレンとの生活を体験した」らしいこと、その謎の描写と第一話の冒頭とが繋がること。そしてわからないのは、なぜ繋がっているのか、どういう風につながっているのか。繋がってるって言っても、エレンはその記憶を持っていないし、世界の様子もまるっきり戻ってしまっている。記憶がない、と聞いて始祖の記憶改竄能力を思い出したが、世界を巻き戻すなんてことはさすがにできそうもない。……やはりどう考えても、未来から過去に時間が繋がるというのが意味不明だ。これはもうループ説確定で良いのではなかろうか。とか言って違ってたら怖いが。今までもループしてたんだろうか。だとしたらその引き金はなんだったんだろうか。

 

そういえば単行本の表紙が「あり得ない場面」を描いている、っていう指摘があった。死んだはずの人間が生きていたり、本編にはなかった場面がちょくちょく出てきているらしい。ね。そういうの言われるとなおさらミカサループ説を推してしまう。

 

こういう予想しちゃうとせっかくの漫画がただの答え合わせになってしまって、予想が合ってるかどうかに主眼がいってしまう。それは勿体ない。次号を待とう。頭を空っぽにして諌山先生の描くものを読もう。

 

 

 

ところでいま「LOST GIRLS」というスピンオフを読んだ。ミカサ視点のスピンオフの話である。超面白かったんだけどこれから思いっきりネタバレするので読みたい人は回れ右してください。マガポケというサイトで400円くらいで読めるはずだ。

 

あと1話の試し読みのリンクを貼ります。これは別サイト。

 

kds-t.jp

 

 

 

 

 

 

 

要するに思いっきりループしていたのだ。そんな馬鹿な。詳細は省くが要するにエレンが死んで、すごい頭痛がして、そして世界線が変わったような描写があった。完全に138話の描写と一致する。

 

これを踏まえると、138話でミカサが頭痛に苛まれて、謎の回想シーンが挟まり、そして帰ってくる、この一連の流れが「運命を変える」トリガーになっているらしい。

 

LOST GIRLSの中のミカサは、本編より明確に「別の世界線の記憶を持っている」というふうに描かれている。この話の中では両親は盗賊の襲撃に遭わないのだが、それなのにミカサの脳裏には両親が襲われるシーンがちらついている。なぜだ。

 

あとミカサがエレンに会いたいって願うとそれが叶う、という描写がちょくちょくある。

 

そして謎のモノローグがミカサに語り掛けてくる。これがループの正体というかあれなのでは。

 

 

 

すごい話を読んだ。元はDVDの特典についてたビジュアルノベルらしい。ヤバ。

 

完結前にこれ見つけて読めてよかったな。

 

 

頭がいっぱいになってしまった。これをぶん投げて今日は終わりだ。これはすごい物語です(語彙力ゼロ)。

 

最終話を待とう。

 

 

 

追記をもう一つ。巨人化させる煙が出たとき、コニーが「ラガコ村のやつと同じだ」って言ったのが気になる。コニーはあれを実際見たわけじゃない。あれが煙のせいだなんて描写今までなかった気がする。コニーも過去の記憶を持っているのではないか? と思った。思っただけ。