丸日記

丸海てらむの日記です

【感想】第65話 戦鎚の巨人 進撃の巨人 The Final Season

丸海てらむです。

アマプラで進撃の巨人を見ながらメモのようにこの文章を書いている。

 

単行本を最新33巻まで読んだんだけど、この文章では極力アニメのこの話までの内容だけで書くことにして、アニメ派の人には単行本ネタバレをしないように配慮して書いていくつもり。ネタバレを書きたくなったら米印の間に白文字で反転して書いておくので、単行本読んだ人は反転して読んでもらっても結構。

 

 

 

 

ヴィリー・タイバーは演説が始まる前からもう自分が死ぬことを確信しているような感じがある。

 

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馬車に揺られながらのマガトとの会話、どうもマーレ国内に敵が入り込んでいるらしいことはわかっている、がそれが誰なのか、実際何をしているのかがよくわかっていない。軍の内部にすらいるらしい。

 

そもそもこの演説は何なのか? 何のために誰がやろうとしているのか?

漫画で初登場したときは確かこうだった。ジークが他の巨人たちライナーやガリアードやピークちゃんを集めて会議をしている。エルディア人を世界の迫害から守るためには、エルディア人の手によってパラディ島問題を解決するしかない。そのためにタイバー家がまずはパラディ島の恐ろしさを世界に演説してくれる。それに協力しよう。という話。こう書くと違和感がけっこうすごい。演説必要か? マーレはそこまでしてエルディア人の地位を守りたいのか?

 

ですぐ後の描写でわかるが、どうもさっきの口ぶりだと「マーレ国がやろうとしていることにタイバー家が協力してくれる」という感じだけど、実際にはマーレを操っているのはタイバー家そのものだったのだ。もっと言えばたぶんヴィリー一人が頑張って考えている。ヴィリーが、演説をするためにマーレ国を利用しているのだ。

 

ではヴィリーはなぜ演説をしたかったのか。ヴィリーは何を考えていたのか?何のことはない、ただ話がしたかったのだ。世界の人たちに向けて、別にエルディア人は恐るべきものではない、同じ人間なのだ、生きていたいよ、と言いたかっただけなのだ。そうしてマーレとの戦争だとかエルディア人に対する迫害だとかをどうにかしたかったのだ。「私はこの血を呪いました」「誰よりもエルディア人の根絶を願っていました」「けれど私は死にたくありません」「それは 私がこの世に生まれてきてしまったからです」ということである。

 

世界に全てを明かすつもりだ、ということで劇を使って世界の歴史を振り返ったり、タイバー家しか知らない本当の真実を明かしてみせたりしているのは、おそらく、手の内を明かして君たちは仲間だよと示すためだろうと思う。この情報を伝えたからってタイバー家に得になることは全然ない。偽りの名誉を自ら捨てて、持ちうる情報を提供することで、自ら歩み寄ったことになる。ヴィリーはそれでいいのか? タイバー家が今後蔑まれてもいいのか? タイバー家の地位が低下してもいいのか? いいのだ。彼はマーレとエルディアを救うために、何なら世界をも救うためにこの演説をしている。同じ人間として、今あるエレンによる地ならしの危機を共有し、これの解決に向かうことができれば、ひいてはこのマーレやエルディアを仲間だと思ってもらえるようになれば、それで良いと思っている。

 

今だったらオンラインでメールや電話でいくらでも連絡できるけど、当時はそんなものないので物理的に肉体が近い距離にいないと会話をしたり表情を見ることができない。つまり集まる必要があり、国内に潜むスパイにとって絶好の攻撃機会になる。

 

※単行本ネタバレ反転

ところでこの時点でヴィリーは敵の正体についてどれくらいわかってるんだろう。実際このとき何が行われてるかというと、パラディ島の人たちが十何人かくらいマーレに潜入して、かつエレンの勝手な判断に従う形で攻撃作戦が準備されている。そもそも演説が始まる前とかに銃で撃たれたらどうなってたんだろう。漫画的に映えなさすぎるが。

※ここまで

 

ヴィリーは襲撃に対してどう準備をしていたかというと、特に防ぐ手段は思いついていない。「甘んじて受けて、それを最大限に利用する」と言っている。つまり襲われればそれはそれでいいアピールになるじゃないかと思っている。軍の要人も襲われるかもしれないと思っているが、襲われればそれはそれで軍の再建になって良いじゃないかという感じである。一応戦士隊も軍もみんないし遠くでマガトも見張ってるから何かあったら応戦できるようにはなっている。

 

で実際演説が始まり、襲撃されたわけだけど、まさか背後から巨人が現れるとは思ってなかっただろう。これからパラディ島まで行って攻撃するはずのエレン・イェーガー、その本人が来てしまうとはまさか。宣戦布告したと同時に最終目標そのものから先制攻撃を受けるなんてあまりにびっくりすぎる。

 

ここまでが開始からOPまでを見た感想です。長え。続きを見よう。

 

続きを見る前になぜかここで漫画をちょっと読み返した。何をしてるんだ俺は。読み返すごとにこの漫画あまりにもちゃんとできててやべえなあと思う。ぼうっと読んでても齟齬がないしちゃんと読むと完成度の高さにびっくりする。さて続きを見ます。

 

進撃による襲撃。

 

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元帥、なんで一人ぼうっとしてるんだろう。逃げられないことを理解していて、ただぼうっと諦めているんだろうか。パニックになっても仕方がない、ああ私は死ぬのだ、みたいな。わかんないな。この人何考えてるかわかんないんだよな。「羽の生えた巨人はいなかったか?」とかのボケ具合もあって、賢いのかボケなのかわからない。

 

あとゾフィア死亡。

 

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最近マーレ編の最初あたりを読み返して「ゾフィアって子めっちゃ可愛いじゃん、いいじゃん、なんで出てこなくなっちゃったんだろう」って思ってたんだけどここで死んでたのか。あっさりしている。戦争ってのは人が軽率に死ぬものなのだ。

 

あと作画すごくないですか。漫画より断然良い。綺麗だしよく動くしなんかエフェクトの埃っぽい雰囲気がとても好きです。今期から制作会社変わったらしい。

 

そして戦鎚の巨人登場。

 

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「兄さん、タイバー家の務め……ご立派でした」

かっこよかった。声が付くとリアルですごい。

そして戦鎚巨人化である。

 

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そういえばヒーローものとかでよく「変身中は無防備なんだからそこを攻撃すればいいのでは?」とかいう無粋なツッコミがあるが、そんなことをするとあまりにも不利なので言ってはいけない。変身シーンはかっこいい見せ場なので邪魔せず見ていてあげるものだ。リアルの戦争じゃあるまいし。

 

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ただし進撃はリアルなので変身中に殴る。

 

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そのままマウントを取って弱点らしい顔とか脊髄あたりを殴り続ける。これが正しい先制攻撃です。有利を取ったらそのまま攻撃を継続する。見せ場も何もあったもんじゃない。こいつどんな顔してるかもわかんないまま硬質化パンチで顔面グチャグチャにされている。

 

進撃世界の戦闘シーンは毎回リアルでめちゃくちゃ好き。諌山先生は格闘技が好きでよく見るらしいので、こういうリアルでお互いがちゃんと最善を尽くす戦いの魅力を描きたいんだと思う。古い少年漫画とかだとお互い順番に技を受け合ったり強い技は取って置いたり相手がダウンしたら起き上がるまで待ってあげたりするけど、進撃の巨人では殺せるチャンスがあったら迷わず殺しているし、機会があれば最初から必殺技を使う。自分が進撃好きな理由のひとつがこれです。自分も戦闘シーンを書く機会があったらこれくらい容赦なくやりたい。相手の変身中に殴ってダウンさせてマウント取ってまた殴る、なんてことやってるの進撃の巨人くらいでは。こう書くとあまりにも酷い。でもリアルな戦いってそうだろう。

 

その後マウント取られた戦鎚がどうやって不利を覆すかというと、こうである。

 

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お腹からでかい槍が生えて進撃を押し上げる。こんなのあるんだったらマウント取ってもしょうがない。しかも様子を見るに顔面ボコボコに殴ったのにあんまり効いてるふうがない。まあそうか。巨人対巨人の戦いってどうやるのがセオリーなんだろう。エレンはけっこう経験あるはずだけど、確か対女型は二回やって二回負けてて、対鎧は確か関節技で惜しいところまで行ってた。対超大型はまあ考えなくてもいいか。対戦成績、実はそれくらいか。

 

そういえばなんで巨人の弱点が脊髄にあるかというと、弱点が人間と似たような場所にあることで人間対人間の格闘技のセオリーがそのまま流用できるから、という漫画的な都合によるかもしれない。仮に弱点が例えば右手の甲とかにあったら、不自然に右手を庇って左手と足技だけで戦うみたいな奇妙なことになる。脊髄を守る、ならそんなに普通の人と人の殴り合いから逸脱せずに描けるなあ、という。

 

話が脱線した。要は進撃も戦鎚も、セオリー的にどう戦えばいいのかあんまりちゃんとわかってないのかなと思う。まあ戦鎚はたぶんこれが生まれて初めての対巨人戦で、しかももしかしたら巨人化するのさえ継承以来かもしれないなと思う。一応過去の継承者の記憶があるけど、本人としてはほんとに初見で戦ってるんだと思う。頑張れ戦鎚ちゃん!  ちなみに漫画版をよく読み返すと、さっきのマウント取ってたとき、進撃は顔面というより首の脊椎あたりを猛ラッシュで殴っている。殺意マックスじゃん。最初から必殺技だ。変身からワンターンキルまで普通に狙っている。『巨人対巨人の戦いはうなじの狙い合いになるので変身の隙に組み伏せて速攻でうなじを破壊する』、主人公の取る戦術とは思われない。こう見るとエレンは完全にセオリーを理解している。

 

話を戻そう。暴れるエレンによって街中に岩が振るシーン。一話でエレンの母さんが岩の下敷きになったシーンを思い返すねみたいなことを書いてた人がいて天才かと思った。

 

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あっこの夫婦知ってるぞ。前の話で見たな。なんかおじさんのほうがガビに絡んで奥さんにたしなめられたりしてた。ちょっとモブだけど好きになってきたよこの人たちのこと。

 

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あっ。

 

進撃はすぐそういうことをする。思い入れを持ったと思ったらこれだ。戦争はあまりにも軽率に人が死ぬ。

 

ここでコルトとガビ登場、群衆に踏まれて血だらけになったウドをコルトが抱えて走る。目に力がない。「ウドは……?」「…………とにかく、病院へ行かないと……」

 

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コルトの声の力のなさ、ガビの顔とか、本当に臨場感がある。もう助からなさそうな感じがする。でも助かる方法を探すしかないのだ。でもたぶん駄目なのだ……。

 

場面は変わって拘束されたピークとガリアード。ガリアードくんライナーと喋ってるときは敵意ギラギラだけどそうでないときは普通に良い人そうでなんかいいね。あとピークちゃんが動いて喋ってるところを見れて大満足です。声も作画も原作のイメージ通りだ。それ以上かもしれない。ちょっと原作より元気っぽい。

 

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「あのアゴヒゲが怪しい。私たちを尾行して」真面目な顔のピークちゃん好き。普段ゆるゆるやってる人がいざってときに真剣になるのかっこよすぎる。頼りにしてるぜ。

 

そしてさっきの巨人戦、進撃が槍から出れなくてもがいてるうちに戦鎚は回復し立ち上がる。

 

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こんな顔してたのか。白い膜みたいなのは硬質化か? よくわかっていない。

その後なんか手からでかいハンマーみたいなのを出して振りかぶる。進撃は硬質化パンチで槍を破壊し脱出するが、着地したところには硬質化のトゲがあり足を固定される。さらにマガト率いる対巨人野戦砲弾が襲い掛かる!

 

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進撃も一射目は片腕で顔を覆うくらいだったのが、そこでみるみる体が貫かれ血があふれ出るのを見て、二射目以降はよろめきながら硬質化した手でうなじを守ることに必死になっている。「やった! 効いてる!」とモブが言ってるがマジで効いている。そういえばあの鎧の巨人すらスラバ要塞戦で海軍からの攻撃でずたぼろになっていたのだ。マーレの技術はそれらに劣るとはいえこの近距離からなら相当な威力が出ているはずである。しかしマーレは巨人を操る側なのによく対巨人用の兵器があったな。

 

ここで寄り道をするがそもそもこの時代の巨人の力はどこにいくつあったんだったか。どこから考えようか、パラディ島作戦以前から考えよう。マーレ軍には鎧、女型、超大型、獣、顎、車力の六つがあった。残りのうち始祖は壁の中、戦鎚はタイバー家、進撃は行方不明だった(密かにマーレ軍内のクルーガーが持っていた)。マーレ軍からすると、7/9を持っていて、残りのうちひとつは壁の王、ひとつが行方不明という状況である。パラディ島作戦を行って、鎧と女型と超大型と顎の四体を送り込んだ。帰ってきたのは鎧と顎だけだった。女型と超大型は失った。あとは行方不明だった進撃と始祖をエレンが持っているということがわかった。

 

ということでマーレが対巨人野戦砲を開発したのは、ライナー帰還後、エレンの進撃にか、もし奪われていれば女型に使用する可能性がある、くらいの動機からだったかなと思う。まあ開発する動機としては十分なんだろうか。あ、いやわかった! スラバ要塞攻略とかで敵軍が開発したものを奪ったのだ。それなら説明がつく。マーレと敵する国々は、マーレと戦うということはすなわち六つの巨人と戦うということで、通常兵器より優先して対巨人兵器を開発していたはずである。それを奪ったのならわざわざ「対巨人」用の兵器がマーレにあるのも納得がいく。納得したのでそういうことにします。(追記:漫画版を読み返したら「押収したばかりの」ってめちゃくちゃ書いてあった しかもマガト隊長が式の祝砲のために見せかけて用意してたっぽい この長い文章は一体なんだったんだ)

話がめちゃくちゃ逸れた。なんだっけか。進撃対戦鎚、戦鎚側には対巨人砲があってそれが進撃にめちゃくちゃ効いているらしいというところ。続きを見よう。

 

モブが「このまま始祖を殺しましょう!」って言ってて、マガトは「ここで始祖を殺せば問題を先送りにすることになる、ここで戦鎚に食わせる」って言っている。始祖を殺すとどうなるか? 九つの巨人の力は失われると世界中のエルディア人のうち誰かに宿る、とクルーガーが言っていた。マーレもそれを知っていておかしくない。というかおそらくマーレが元々知っていて、クルーガーもマーレの軍人としてそれを聞いたんだと思う。始祖が仮に死んだとして、「エルディア人の誰か」と言っても候補はざっくり二つしかない。マーレか、パラディ島かである。人口で考えたらどっちが多いんだろう。わからない。もし始祖を殺してしかも次の始祖がパラディ島に生まれた場合、また同じ問題が起こる、っていう話をしてるんだと思う。まあその始祖が向こうで発覚してそいつが地ならしを起こそうと思うまでは、って感じで時間稼ぎにはなるけど。

 

※単行本ネタバレ反転

「問題を先送りにしない、今自分の手で解決する」っていう意思はエレンとかにもちょいちょい見られる。責任感が強い。

※ここまで

 

ただ戦鎚はどうもそのまま殺しちゃうつもりらしい。なんだったんだ。

 

戦いのその後、戦鎚がハンマーを振り上げ、進撃は硬質化した腕でそれを防ごうとするもハンマーが顔も腕もまとめて破壊してしまう。すごい威力だ。進撃は確か顔が破壊されると前が見えなくなる。エレンが頸椎から出てくる。

 

「簒奪者、エレン・イェーガー。最後に言い残すことはありますか」

 

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「今だ、ミカサ」

 

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ミカサあああああああああ!!!!!

 

ここらへんBGMも動きもめちゃくちゃかっこよい。すごい。立体軌道装置のアンカーがたわんで飛んでは突き刺さり、ぴんと張って、ミカサは身体をしならせながら地面すれすれからグワアっとワイヤーで上がってくる。戦鎚が気づいて振り向くころにはもう雷
槍が刺さっており、その勢いのまま体重をかけて信管を引き抜き、爆発! この一挙一動がありえないくらいかっこいい。ほんとにありそう感がすごい。特に戦鎚の頭を超えてワイヤーが頭をこするシーンで一瞬スローになるのが麗しい。こんな一瞬のシーンにどれだけ命賭けて描いてるんだ。アニメのたった一話のうちの、ほんの一瞬の出来事なんだぞ。その一瞬でも好きな人にとっては宗教とか歴史的事実くらいの意味を持つのでこうして大事に描いてるのだろうなと思う。

 

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麗しい…………。

 

このときミカサ何考えてるんだろうか。何か寂し気な感じすらある。エレンの求めに応じて助けてあげられるという喜びと、それでもエレンは帰ってこないんだろうという悲しさと。

 

その後他の兵士たちも登場する。立体起動装置で飛んできてマガトや対巨人野戦砲めがけて雷槍を撃っていく。後は装置に銃の付いた対人仕様のを使っているやつも相当いる。これは前の憲兵団の対人部隊が使ってたやつをそのまま使ってるんだろう。奪った敵の兵器を惜しみなく使うのが進撃世界である。

 

まだ半分なのに二時間くらいかけて書いている。ちょっと手を抜こう。

 

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ここ窓から最低限だけ身体を出して撃つのもリアル。細かいところがしっかりしている。もしかして進撃だけじゃなく最近の作品は全部これくらいすごいのか?

 

その後パラディ島勢力とマーレの戦い。どうもパラディ島側のほうが押している感じがする。フロックが民間人まで襲うのをジャンが咎めるが、フロックは聞く様子がない「エレンは示した、戦えってな! 俺達にはあの悪魔が必要なんだ」。『戦え』って言葉はよく進撃で出てくるが、フロックの言うのもそれなんだろうか? 僕はフロックというキャラがあんまり好きではない。なんとなく。ジャンはいいやつそうだ。

 

 

コルトとガビはウドを抱えて医者のところにたどり着く。がそもそも診てもらえず門前払いされる。「ベッドはもういっぱいだ、その子もとっくに死んでるよ!」「そんな……ちゃんと診てくださいよ!」「君こそこの状況がわからないのか? 戦士候補生だろ!」医者の声も困っているというかパニックになっているふうである。誰も悪くない。怪我人が多すぎて医療リソースが足りていないのだ。そしていくら戦士候補生でも弟のように可愛がっていたウドが死にそうとなると平静を保てるわけがない。

 

その後コルトはガビに、「安全なところに行け、俺は戦場に戻る」と言うが、ガビは「私も戻る、なんでウドとゾフィアが死んだのかわからないから」。もうウドが死んだと受け入れている。ガビはねえ、めちゃくちゃ強い子なんですよ。強い子であろうとしている。たぶん心にはいろんなものを抱えていて危ういところもあると思うんだけど、私は賢い子だ、って思って自意識と理性で体を動かしている。自分でもそれをわかってなくて、自分じゃほんとに強くて賢い子だと思っているし周りからはそう見えている。でも実はそうでもない気がする。根拠はないけど。

 

で戦場に戻ると知り合いのおじさん兵士に止められて、危ないから戻れって言われる。そりゃそうだ。でも私も戦うの、とか言ってる間にパラディ島勢力がそこまで来てて、爆発、銃弾、いま喋ってたおじさんたちも撃たれて、倒れ、死んでしまった。おじさんたちを撃ったやつのところを、見上げると、こうだ。

 

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サシャだ……。弓が上手いんだから銃も上手そうだ。ガビからすると名も知らぬ初めて見る敵国の兵士、あいつがおじさんを殺した、という感じだ。サシャからしても名も知れぬ初めて見る少女である。両者に思い入れを持っているのは見ている僕らだけである。

 

場面は変わってミカサ対戦鎚。エレンに「戦鎚を引き付けてくれ」って言われてその通りにするミカサ。巨人相手に普通に一人でやり合えているのがすごい。

 

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(このカットかっこいいのに動きが激しくて一瞬しか映らない 贅沢な作品だ……)

 

まあ戦鎚はこれが実践初めてだと思うのでしょうがない。なぜか剣を作ってそれでミカサを狙っている。ミカサを狙うにしては難しいのでは、と思うがもしかするとワイヤーを切断するためかもしれない。とすると適した形状だ。そういえば知性巨人対立体起動装置と言えばアニの例が思い出される。あのときはワイヤーを掴んだりそもそもワイヤーの動きから位置を予測して踏みつぶしたりしていたけど(アニ対ミケ、リヴァイ班など)、あれをやってこないのはたぶん戦鎚がアニと比べて戦闘に慣れていないのと、ミカサが避けるのうますぎてできないとかだろうと思う。よく見るとミカサは戦鎚にはアンカーを刺さずに近くの建物にアンカーを刺しているのと、ワイヤーでの上昇が終わる前にアンカーを戻して差しなおしたり、と細かく移動することで読ませないようにしているのではないか、という雑な仮説を言ってみたりする。ジャンが女型と対峙して「もう終わりだ! ワイヤー掴まれて死んじまう!」って言ってたのが真理ですよ。たぶん巨人に直にワイヤーを刺すとそれを掴まれるんだけど、建物→ワイヤー→兵士→巨人、という位置関係になるように刺すと比較的掴まれにくくなるんだと思う。特に武器が剣から雷槍という遠距離武器に変わったのでなおさら安全に戦える。実際映像を見てみるとワイヤーが戦鎚の前を横切るシーンはほとんどない。やっぱりミカサがうまいんだ。しかしこのへん全部かっこいいよ。何度でも見直そう。まじで作画どうなってるんですか。CGなのか。かっこよすぎる。

 

そして本体の位置を見つけ出して、コードみたいなのを引きちぎって無力化。これアニが水晶みたいになったときのやつと似たようなやつですね。血がいっぱい出るのグロい。それが伝達物質になってたんでしょうか。

 

そして次のシーンですよ、めちゃくちゃ危ない。エレンが戦鎚を食おうとした瞬間、ガリアードがエレンの首筋に食らいつく!

 

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「この瞬間を待っていた」、ずっとこの奇襲を仕掛けるために待っていたらしい。目の前にいる戦鎚の巨人を倒した瞬間だけは安全になったと思って油断するだろうということか。実際油断していた。どこで潜んでいたのかわからないが。

 

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と思ったらリヴァイ兵長が顎の巨人の顎を切り裂いてくれてかみ砕けないようにしてくれた。なんという反射神経。

 

ここまじで危なくて、もし食われてたら進撃も始祖もいっぺんにマーレに奪われて全てが終わりだった。これを狙うガリアードもすごいし防ぐリヴァイもやばい。ガリアードが飛び出してから噛み千切るまで一体何秒の猶予があるんだ。あまりにもすごい。ここのカットをよく見ると、フードで顔の見えない兵士が飛び出してガリアードを切り裂き、着地してから髪型があらわになってこの動きはまさか兵長……と思わせて、次のカットで大写しにリヴァイが出てくる。かっこいいなあ。

 

奇襲に失敗し、進撃は顎を壁に叩きつけられて拘束を解き、逆に髪を掴んでしまう。が顎の鋭い爪が進撃の手を引き裂いてこれも逃れ、「ここにいてはまずい!」と脱出を図り建物の壁を駆け上がる。

 

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が雷槍に撃墜される。ミカサの反応速度はすごいものがある。そういえばアニが巨人の姿のまま壁を登ってたときもミカサが指を切って落としてたな。雷槍ができてずいぶん楽になった。

 

「俺は巨人だぞ……?!」「人間の姿のまま、俺を殺す気か……?!」

 

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これね、めちゃくちゃ好きなシーンです。ガラパゴス的進化だ。野戦砲も巨人の力もなしに、知性巨人と渡り合える力を身に着けてしまった。恐るべしパラディ島。だってマーレからすれば無知性巨人を空から投下するだけでも白兵戦じゃ歯が立たず、用意しておいた野戦砲を動かしてやっと倒せるくらいのもので、ましてや知性巨人が来ればそんなもの何の役にも立たず粉々にできる。まさに無敵、国をいくつ相手に戦っても無敵だった巨人の力、巨大な艦隊に総攻撃されてやっと一体よろめいたのを見て力の衰えを感じていたマーレの巨人たちが、わずか数十人の人間相手に、細いワイヤーと1メートルちょっとの爆弾だけで、現に殺されそうになっている。一体彼らはどうやってこの力を身に着けたんだ。なぜって彼らの軍隊の敵は巨人だけだったのだ。

 

思い返せば壁破壊前は貧弱な壁上の大砲しかなかった。ぶどう弾とか榴弾とか言ってたやつ。別に壁から出る必要もなかったからあんな貧弱な装備だった。が壁を破壊されて以来、実際に巨人に数多の人間が食われるということを経験して以来、立体起動装置が開発され、壁から出てウォール・マリアを奪還するために、調査兵団の活動が活発になったのだ。たぶん。たぶんね。たぶんこのへん小説で詳しいのがあると思うので読んでみたい。

 

 

でここで今回は終わりです。アツかった。原作で既に知ってても面白い、というか知ってるほうが面白いかもしれない。見返すごとに面白くなっていく。

 

大事なのは話の筋だけじゃなくて、何ていうか、なんだろう。何て言えばいいかわからないが、話を知っていても改めて声付きで動きがあって見るのは全然違うのだ。

 

このペースのまま毎週書いてたら絶対体力がもたないので、次回はもっと内容薄くして書くと思います。次回があるとしたら。あるかわかんないけど。

4時間くらい書いて1万字を超えてしまった。わずか30分のアニメに書く分量かこれは。職業作家ならこれくらい平気でぺろっと毎日書くのかもしれない。でもあれですね、この作品が生まれるに至った各方面の苦労、諌山先生も、監督も、絵描いてる人も、音楽作ってる人も、まあ誰が何してるのかよく知らないけど、関わる人みんながすげえ頑張ってるなというのを感じる。見ていて違和感のあるシーンがまるでない。諌山先生がどこかで言っていた、進撃の巨人は漫画はライブ感があっていいけど本当に完成してるのはアニメのほう、細かい補完とかも含めて、みたいな話をしていた。ちょっと探してみても引用元見つからなかったが。どこで見たっけな。

 

ああ。来週もまた見られる。漫画のほうは次巻で完結してしまう。マガジンで完結してから単行本が出るまでの期間どうやってネタバレを回避すればいいのだろうか。たった四話なら開き直って電子版とかマガジン買うとかして読んでしまうか。そうするか。そうするかもしれない。